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やさしいひとたち

ほぼ満席のコーヒーショップで、ようやく見つけた空き席にすわったら、私を挟んで右と左でお喋りが始まった。右の老夫婦はご亭主が脳梗塞の後遺症でなかなか大変らしい。左の御婦人は、そういう二人を同情するでなし、励ますでなし、でも楽しいおしゃべりで応じておられる。思わず引き込まれて、会話に参加してしまった。右の奥さんは、最近95で亡くなった誰やらの事をたいそう陽気に話してくださったが、なかなか壮絶な介護の話だった。同居家族が限界に達して、結局最後は施設に移したとか。家族が居るのに施設に入れるということは、まだまだ抵抗があることらしい。
私にとっては身につまされる話だ。担当ケアマネには同居家族が居ると入所は難しいといわれ続けている。
夕食の買い物に、今日はご亭主の好物のフライドチキンを買って帰るのだ、とご夫婦が楽しそうに席を立った。ゆっくりと歩くご亭主を小さい奥さんが支えて歩く。私も自分の飲み物を飲みほしたので、ゆっくりしている左の御婦人に、お先に失礼とにっこり挨拶した。私もね、介護疲れなんですよ、とは最後まで言えずに、言わずに、にこにこ話をきくばかりの午後のお茶時。