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食傷オルセー美術館展

このところ、絵を観に行こう、とか面白いものをみて我と我が身を驚かせよう、とかいうきがすっかり失せてきたのは、介護疲れとか(まあ、それもある)仕事のストレスとか(無いこともない)、歳とって感受性が鈍ったとかいうんじゃないんだ、きっと。
会社を休んで月曜という平日に行ったにもかかわらず、老若男女、夫婦連れ、カレシ、カノジョ連れ、親子、赤子を抱いた若い母まで、夫を引き連れて、いったいこの人たちは、とくに若い人たちは、働かんでいいんか!どうしてこんなにごった返すんだ!
ごたごたぐだぐだのジャガイモみたいな人々の頭を透かして、それでもドガの踊り子たちが見える、ボナールの猫が素敵なオレンジの格子柄ブラウスに身を擦りよせるのが見える。ハンマースホイは、小品ながら圧倒的な空気感を発散している。
ゴッホのあたりの人ごみから逃れながら、アムステルダムゴッホ美術館に行ったことを、ぼんやり思い出した。あそこは(そしてあの時は)人もまばらで、警備のおじさんたちもニコニコと和やかで、なにより絵と私たちを遮るものが何もなかった。人混みなぞ言うに及ばず、ロープさえ張ってない気やすさ。ああ、酸素が足りない。
東京の娯楽はかように貧しい。食傷気味なのは、オルセーにじゃなくて、人ごみに。もうごった返しの美術展には行きたくない。